塗装・塗料

さて、レストアに用いた塗料などの材料と道具を紹介します。塗料は、仕上がりやその耐久性を左右します。今回はあと10年以上の耐久性をもたせることを目標に常識破りの厚膜塗装にしました。
「下地用塗料⇒カラー塗料⇒クリアー塗料」を基本としました。

エンジン以外は塗装1時間後、ホットガン(80~100℃)で強制加熱乾燥させました。
エンジンの場合は、Top Heat塗装24時間後にホットガン(100~200℃)で強制加熱乾燥させるときれいに仕上がります。溶剤が十分蒸発するまえに加熱すると、表面に気泡ができやすいので注意が必要です。(電子オーブンレンジを使った裏技も紹介しています。)
 亜鉛メッキ塗料のカンペジンクリッチは耐熱温度200℃ですので、高温部への使用が可能です。このジンクリッチのグレーは、シルバーより耐熱性があるようで、エギゾーストチャンバーにも使ってみましたが、ホットガンで事前に200℃前後で加熱しておけば、特に問題はないようです。(塗膜が厚いと、表面にポツポツと小さな気泡のようなふくらみが若干でることがあります。)


ローバル社に代表される亜鉛メッキ塗料は、通常の亜鉛電解メッキよりも耐食性に優れているといわれています。
塗装後、屋外暴露(湿気などで酸化)されると、徐々に塗膜が固く安定な酸化被膜に変わっていきます。一ケ月も経ちますとシンナー等の溶剤で拭き取ることができなくなります。

バイク用塗装関連商品ウェビック
部   位 工   程
フレーム ①.亜鉛メッキ塗料(ローバル グレー)
②.①から1週間後、サンドペーパー(600・1000番)がけ
③.②から1週間後、プライマー(亜鉛用)
④.サンドペーパー(1000番)がけ
⑤.2液性ウレタン塗料(ホワイト)
⑥.⑤から1週間後、サンドペーパー(1000・1500番)がけ
⑦.2液性ウレタン塗料(ホワイト)
⑧.⑦から1週間後、サンドペーパー(1000・1500番)がけ
⑨.2液性ウレタン塗料(クリアー)
ハンドル
フロントフォーク(アウター)
サイドスタンド
燃料タンク

   注:プライマーは亜鉛用
①.亜鉛メッキ塗料(ジンクリッチ グレー)
  (タンクのみ実施。PP製は錆びませんから必要なし))
②.①から1週間後、サンドペーパー(600・1000番)がけ
③.②から1週間後、プライマー
④.サンドペーパー(1000番)がけ
⑤.Holts自動車用1液性塗料(ホワイト)+ホットガン乾燥
            ※ホワイトパールマイカ下塗T-2(トヨタ車用051)
⑥.Holts自動車用1液性塗料(ホワイト用パール上塗り)
            ※ホワイトパールマイカA6
⑦.⑥から1週間後、サンドペーパー(1000・1500番)がけ
⑧.Holts自動車用1液性塗料(パールレッド)
            ※ボルドーレッドP(ホンダ車用)
⑨.⑧から1週間後、サンドペーパー(1000・1500番)がけ
⑩.2液性ウレタン塗料(クリアー)
フロントフェンダー(PP製)
リアフェンダー(PP製)
サイドカバー(PP製)

  注:④からスタート
     プライマーはPP用
エンジン ①.プライマー(アルミ用.)
②.サンドペーパー(600・1000番)がけ
③.Top Heat(艶ありブラック)
エギゾーストチャンバー ①.亜鉛メッキ塗料(ニッぺ ジンクリッチ グレー)
②.①から1週間後、サンドペーパー(600・1000番)がけ
③.Holts製耐熱ペイント
エギゾーストサイレンサー ①.亜鉛メッキ塗料(ニッぺ ジンクリッチ グレー)
②.①から1週間後、サンドペーパー(600・1000番)がけ
③.亜鉛メッキ塗料(ニッぺ ジンクリッチ シルバー)


塗 料
亜鉛メッキ塗料(ジンクリッチ)

 亜鉛メッキ塗料と言えば、ローバル。昔から、その防錆効果は国土交通省のお墨付きで有名です。
今回、フレームの防錆に、亜鉛含有率96%のRを使用しました。塗装後の色は、グレーになりますが、サンドペーパーをかけると、金属亜鉛の光沢が出てきます。
 RSはローバルシルバー。アルミ粉配合亜鉛83%含有で、耐熱シルバーのような仕上がりです。どちらも耐熱温度は100℃です。
塗装の下塗りにはいづれも向きませんが、湿気のあるところにおくことで塗膜が固くなります。また上塗りも可能となりますが、密着性があまりよくありません。
上塗り用としてエポローバル(EPO ROVAL)があります。耐熱温度は200℃です。
耐熱塗料と、ラバー塗料

 チャンバーは、Holts製の耐熱塗料(艶消しブラック)。耐熱600℃、速乾性ですが、耐油性は劣るようです。
 エンジンは、耐熱200℃のTop Heat(艶ありブラック)仕上がりの美しさは、ピカイチ。ガソリン、耐油性にも優れているようです。
 但し、自然乾燥では硬化せず、、ヒートガンなどで100℃以上に加熱する必要があります。(約2千円/本)
 ラバー塗料は、フロントとリアのフェンダー内面に使用しました。
デイトナ:DAYTONA/耐熱ペイントスプレー   
亜鉛メッキ塗料(ジンクリッチ)

 左はカンペ(ALESCO)のジンクリッチスプレーのグレー、中央が同じくそのシルバー。右はニッぺのジンクスプレー シルバーです。
 カンペ(ALESCO)のジンクリッチスプレーは耐熱200℃です。エポキシ系ですので、上塗りの付着性は、よいようです。エギゾーストチャンバーとサイレンサーの下地にグレーを使用しました。
耐ガソリンペイントスプレー・染めQ

 2液性ウレタンスプレー塗料です。便利ですが、缶内で硬化が始まるため数時間の内に使い切る必要があります。耐ガソリン、耐油性にすぐれており、塗膜も硬く理想的ですが、普通の缶スプレーに比べて残量の減少にともない、噴霧状態が変化しやすいように思えます。
 今回は、タンク、フェンダーの仕上げ用としてクリアーのみ使いました。(約2500円/本)
 染めQはシートの染め替えに使用。簡単ですが、コストが気になります。(約1800円/本)

デイトナ:DAYTONA/耐ガソリンペイント
デイトナ:DAYTONA/MCペインター 缶スプレー  
デイトナ:DAYTONA/シート染めQ ブラック
  
2液性ウレタン塗料缶入り

 フレームとフロントフォークアウターチューブの塗装用として、のホワイトとクリアーをネットショップで購入しました。
 このマルチトップクリアーの塗膜は確かに硬いですね。硬化剤は多少少なくてもよいような気がします。薄め液は指定された専用のものを使うようにしましょう。(相性がわるいと、失敗しますから・・)
 スプレータイプより、こちらの方が経済的で、かつ塗りやすいです。
さびとり剤(ラストリムーバー)

サビだけに反応し、防錆効果のあるものを使用します。
タンク内のさびとりはこれ↓が一番です。

花咲かG/ラストリムーバー